中国デジタルマーケティング:Wechat(微信)事例編

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前回、中国のWechat(微信)を使ったデジタルマーケティングのパターンについて紹介しましたが、今回は事例を紹介したいと思います。

前回の記事は↓をご覧ください。

Wechat(微信)中国デジタルマーケティング(概要編)
今回は中国のデジタルマーケティングを紹介したいと思います。 中国では携帯の普及率が人口の90%を超えて、モバイルアプリを利用したインタ...

今、中国企業が一番力を入れているデジタルマーケティングは、恐らくWechatの公式アカウント購読です。前回紹介したとおり、ユーザに会社の公式アカウントを購読してもらうことで、ユーザにキャンペーン情報などを定期的に発信することが可能です。

そのため、公式アカウントを購読させようと、各社ユニークな手段を使っています。以下、事例です。

旧来の方式

店頭ディスカウント

商店やレストランによくあるパターンです。

Wechatの購読アカウントを登録すると、お店の優待を受けることができます。例えば、

一風堂(日本の有名ラーメンチェーンで北京、上海、広州等にも進出)

公式アカウントを登録すると、ラーメントッピングが一品無料

MINISO(格安な日本ブランド風の雑貨店。本部は日本らしいが・・・)

公式アカウントを登録するとビニール袋が無料になる。

※中国では通常ビニール袋は有料(2円〜5円弱)です。

※MINISOについては色々な意味で面白いので別途紹介予定

追加機能を提供(ポイントカード連携等)

実は公式アカウントは単純な情報発信以外に、各社で色々とカスタマイズが可能です。例えば、以下の様な追加機能を付けてユーザを確保している会社もあります。

  • ポイントカード機能
  • 会員限定ディスカウント情報
  • お店検索機能

スキャン配り(ティシュ配り方式)

2015年からよく見るようになった方式です。

街頭で、Wechat公式アカウント登録用のQRコードを持ったアルバイトが道行く人にスキャンをお願いするパターンです。スキャンして公式アカウント登録すると、その会社に関連した商品など色々なものを貰えます(飲み物、食べ物、ぬいぐるみなど)。

北京では、「上地駅(百度の本社がある駅)」や「望京駅」など、IT企業が多い場所で配布しているのをよく見ます。

また、かなり迷惑ですが、地下鉄の乗客に一人ずつ話しかけてスキャンをお願いする手法もたまに見かけることがあります。ちなみに車両内で歌を歌いながらお願いすると成功確率があがるとか…(参考)。

本手法は、見境なく声を欠けているため、登録後すぐ削除している人が大半と思われます。このようなコンバージョン率はかなり低い手法は、恐らく長くは続かないでしょう。

新しい方式

他業種提携

上述のディスカウント方式を他業種と提携して行う方式です。

下記の画像はとあるラーメン屋のテーブルセットです。

紙製のテーブルクロスには、旅行会社の広告が、また左側には、その旅行会社のWechat公式アカウント登録QRコードが設置されており、アカウントを登録すると、お店から無料のドリンク(コーラかスプライト)が貰えます。

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これは、商品を宣伝したい会社(旅行会社)と広告で利益を得たいリテール(ラーメン屋)をWechatで繋ぐマーケティング方式のようです。

ラーメン客と旅行代理店の客層が重なるのか、少し疑問はありますが、食事が来るまでの待ち時間に割りと広告が目に入るので、これは中々いい手法な気がします。

公式アカウント登録ロボット

上記のスキャン配り方式を自動化したパターンです。

商店などに置いたロボットのQRコードをスキャンすると、自動で優待を受け取ることができます。ここでは、例として2つ挙げてみます。

ポロライド写真ロボット

「北京潮生活」という生活情報メディアが自社の公式アカウント登録用に作ったものです。

2016-02-08 15.32.44 HDR

以下の様な手順で無料でポロライド写真がもらえます。

  1. 北京潮生活の公式アカウントをフォロー
  2. 公式アカウントに携帯内の写真を送信
  3. 出力したいロボットのIDを携帯から入力
  4. 十数秒で送信した写真がプリントアウトされる

北京では、北京の原宿と称される「南鑼鼓巷」など若者が多い場所で見かけます。

飲み物ロボット(飲品机器人)

中国のスタートアップ投資のTV番組、「創業英雄汇(创业英雄汇)」で話題になったロボットです。

Screenshot 2016-02-27 14.21.42

基本的には、手法は上記のポロライド写真ロボットと同じですが、こちらは写真ではなくて無料コーヒーが出てきます。ガソリンスタンドや病院などに設置しているようです。

エンターテイメントとミックス

他にもエンターテイメントとミックスした色々な手法があります。ここでは、恐らく中国で最も有名なサーカス「長隆国際サーカス」の例を紹介します。

サーカスが始まるまでの待ち時間を利用して、公式アカウントに誘導するパターンです。

  1. 待ち時間中にWechatのシェイク機能をするように館内放送
  2. シェイクして見つかった長隆サーカスのアカウントをフォロー
  3. フォローすると自分の写真が前のスクリーンに表示される
  4. スクリーンの人の中から抽選で何名かに記念品をプレゼント

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このサーカスは超人気のため、開演の2時間くらい前にいかないと前のいい席が確保できません(もしくはVIPチケットを購入)。この待ち時間を逆に利用して、客に楽しんでもらいながら公式アカウントに誘導という、なかなか面白い事例でした。

おまけ:シェイク機能を使ったパターン

公式アカウント登録ではありませんが、最後に中国春節(旧正月)の大晦日に放送される「春晩(紅白歌合戦みたいなもの)」とタイアップした企画です。

  1. 番組放送中に指定時間にWechatでシェイクするように案内が放送される
  2. 指定時間にWechatでシェイクする
  3. 広告とお年玉(紅包)が見つかる
  4. リンクを先に進めると、金額ランダムのお年玉ゲット(下の画像では約30円)

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2015年末に実施されたこのシェイクお年玉キャンペーンですが、なんと合計で110億回のアクセスがあったそうです。ピーク時は1分で8億回のアクセスがあったようで、人数もすごいですが、それをさばくIT構成はどのようになっているかも気になるところです。

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